おそらく世界最高のネット構築チーム、Interop2009のShowNet
6/12まで、幕張でInterop2009などの展示会が行われていました。
会場を支えていたのが、ShowNetと呼ばれる、この時期だけに作られる仮設のネットワーク。
仮設といっても、日本最高、いえ、世界最高の技術者集団が未来のネットワーク接続にトライするのです。(写真はクリックで拡大)
ShowNetとは | ShowNet | Interop Tokyo 2009
左側がNOC(Network Operating Center)。ちょっぴり疲れた顔の(笑)エンジニアたちが、難しい顔しながらノートPCをたたいています。向こう側が機器の入ったラック群。
まず驚くのはバックボーン。幕張メッセと都内データセンターの間を複数の回線でつなぎ、合計でなんと131Gbpsという超広帯域です。しかも、KDDI, ntt.net, WIDE,JPIX, JPNAPI/IIなど、9つものエクスチェンジと接続されています。ルーティングはきっととても複雑なのでしょう。
論理構造も複雑で、5重のネットワークが重なっているそうなのです。Pure V6, Pure V4, Private V4, …。(あとは聞いても分かりませんでした(笑)。) 現在、世界のインターネットは大きな転換点に差し掛かっています。IPv4に基づいた現在のIPアドレスがきわめて不足しており、IPv6という新しいIPアドレスに本格的に移行する時期にさしかかっているため、複数の論理的なネットワークを構築し、相互接続を試みているそうです。未来の大規模プロバイダの姿を想定しているとのこと。
また、世界最先端の機器群が取り揃えられています。私が数えたところ、19インチラックが20基ほど仮設されていました。その中に、約42億円もの機器が格納されているそうなのです(←ホワイトボードのQ&Aに書いてありました)。
使用電力は、100Vが105KVA、200Vが50KVA。これだけでちょっとしたビル並みです。
使用した光ファイバ、LANケーブルとも、約30Km!!
ただ、空調だけは、裏側に並べたスポットクーラーに任せているとのことで、こちらはあまり進化していないようです。
各ラックの横にはホワイトボードが貼ってあって、エンジニアたちがそれぞれの思いを書いています。可愛い絵もありますね。→
これまで、シンプルなアクセスプロバイダや、せいぜい2Tierのサーバサービスしか経験していない私には、いったい何の機器やら分かりませんでした。でも、すごい、ということだけは分かります。
これだけの機器ですから、セッティングも大変です。約240人ものエンジニアが、1週間かけてセッティングしたというのです。すごいですね。更に、設計の議論は2月ぐらいに始まっていたとのこと。各メーカーのトップクラスのエンジニアや、大学の研究者などがチームを作ったそうです。
でも、撤収には3時間しか与えられないとのこと。1週間で構築したものを、3時間で回収するのですから、戦争のようになったことでしょう。
ネットの構築が終わるや否や、世界中から不正なアタックがスタートしたそうですが、そこは世界一の技術者たち。がっちりと食い止めているそうです。世界地図にアタック元が表示されており、中華人民共和国からかなり多くのアタックが継続しています。セキュリティ技術者の方は、「中国で蔓延するコピー版Windowsはセキュリティ更新ができないため、ウイルスに侵食され、ボット化(リモート端末化)して大量の攻撃をしかけてくるのだろう」とおっしゃっていました。
改めて、ShowNetを構築したのはすばらしい技術者さんたちだと感動しました。こういう方たちがいらっしゃれば、日本の未来はちょっぴり、いえ、かなり明るいと思います。
皆様本当にお疲れ様でした。
【Interop Tokyo 2009(Vol.6)】ShowNetで最新伝送技術と製品をチェックする(livedoorニュース)←写真あり
ソリューション 今日から開幕! Interop Tokyo 2007のインフラはこうして作られた(ITmedia)←2007年の記事ですが、shownet構築の様子が分かります
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