NHK特集「男が消える?人類も消える?」、500万年後に?
NHKスペシャル シリーズ女と男 第3回「男が消える? 人類も消える?」も、考えさせられる内容でした。
※「500年後に遺伝子異常」ではないのでご注意ください。(人間の細胞の遺伝子は、活性酸素や放射線で1日2~3万カ所くらい傷つけられてしまいますが、その都度DNA補修酵素が補修をしてくれ、ガンなどの悪性腫瘍に成長するのを防いでくれているそうです。)
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男性の性染色体はXY、女性はXX。1億6600万年前くらいに成立したシステム。
XとYがあることで、確率50%で男女が生まれるようになった。
その頃には、Y染色体も1000ほどの遺伝子を持っていて、X染色体と同じ大きさだった。しかし、現在Yの遺伝子は78しか残っていない。
女性の場合2対あるX染色体と異なり、男性のY染色体はペアがないため、エラーや突然変異によってガラクタになってしまった部分がなくなっていき、小さくなったと考えられる。
Y染色体は遅くとも500~600万年後にはなくなる。実際はもっと早くになくなる可能性がある。Y染色体には機能しない遺伝子が多く不安定なため、突然変異が起これば世界のどこかで来週消えても不思議ではない。
ほ乳類の胎盤は、精子の中に含まれる遺伝子の命令で作られる。卵生の生物は外的や環境の問題があり、卵に入れられる養分には限界がある。一方、ヒトを含むほ乳類の子供には胎盤が必要なため、人間を含むほ乳類は男がいないと子供ができない。
Y染色体で男性が決まるという機能を獲得したことは、ほ乳類にとって「死へのキス」と言える。
Y染色体の退化という時限爆弾と共に、ヒトを含む現代のほ乳類の繁栄がある。
では、Y染色体がなくなっても生き延びているほ乳類というのは存在するのだろうか。
日本に住むアマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミで、Y染色体がなくなっている。精子を作る染色体は他の染色体に移っている。ただし、オスを決めるSRY遺伝子は失われている。突然変異によって他の染色体が同じ働きを補っている可能性がある。
トゲネズミは偶然に偶然が重なって生存してきた奇跡的な例外だ。これはあまりにも運を天に任せる方法であり、ヒトが同じような運命を辿れるかどうかは懐疑的。
Y染色体の滅亡が実際に起きることを証明したトゲネズミ。自然界には偶然に頼る以外Y染色体の絶滅から生き延びる根本的な方法はない。
一方、人間の男の精子の質が悪くなってきている。
一般的に、精子の85%に異常がある。ちゃんとした泳ぎができるものもわずか3割から4割。
人間の精子の濃度は思いのほか低い。また、ヨーロッパ4カ国で精子の濃度を調べたところ、デンマークが最低。日本人もデンマーク並みの低さだった。
同じ霊長類でもチンパンジーは乱婚のため、精子同士の競争が激しく、健康な精子が生き残ってきた。質の高い精子を選び取って次世代につなぐ仕組みによって。
しかし、ヒトは乱婚ではなく一夫一妻制で子供を育てるため、精子同士の競争が必要なかった。ヒトは夫婦によって子供を育てることを選んだ。
しかし、事態は研究者の想像を超えて悪化している。フィンランドでは、この5年間で急速に精子の濃度が27%も減少した。これは遺伝的要因ではなく、公害、化学物質、タバコ、電磁波などが原因として指摘されているが、確証はない。多くの国では自然な妊娠が難しくなると危惧されている。
Y染色体の退化や精子の質の悪化を知ってしまった人類に、何か選択肢があるのだろうか。
それは生殖技術。
当初は体外のシャーレで受精させる技術。次いで、例え泳げなくても、たった1個の精子があれば卵子に注入するという技術も使用されている。
デンマークでは、生まれる子供の14%はすでに生殖技術に頼っている。(しかし、生殖医療を規制しようというイタリアのような国もある。生殖医療が家族を壊すとするバチカンの意向が反映されている。また、精子に競争ストレスがかからないため、更に精子の競争力を低下させ質を悪化させる可能性がある。)
カップルの不妊治療に使われていたテクノロジーが、当初全く想像しなかった用途に使われ始めている。
アメリカでは、子作りに男性は必要ないという女性が増えている。それは精子バンクを利用した体外受精。テクノロジーが提示した、カップルでなくとも(シングルマザーでも、同性カップルでも)子供を産み育てるという選択肢。精子バンクでは、パイロット、医者、外見、性格の特徴、身長、髪の色、えくぼの有無など、さまざまな条件で精子を選ぶことができる。
やがて消え行く男のために、テクノロジーを使用すべきか否か。
人類は受精卵を作る技術を確立すべき。ただ、それを使うには倫理的な問題が大きい。
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(TV見ながら書いてるので日本語が乱れててすみません。)
男は、500万年くらいで滅亡しそうなんですねー。
とはいえ、今すぐではなさそうだし、平均寿命であと40年ほどしか生きないだろう私個人には関係ない。独身彼女なし、子供なしの私には関係ないしなー(苦笑)。
番組では遺伝子操作には言及していませんでしたが、男性不在でも女性に子供が産めるような遺伝子操作が検討されるかも知れませんね。精子なしでも受精卵と胎盤が作れるような。でも、その場合、遺伝子の多様性はどうやって確保する?
遠い将来の人類が、何か最良の手段を見つけ出すことを祈りたいものです。
第1回「惹かれあう2人 すれ違う2人」の感想はこちら
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