惑星が追加されたら占星術はどうする?
8月14日からチェコの首都プラハで行われている国際天文学連合総会で「惑星」の定義の原案が提示され、内容が公表されました。原案では新たに3つの惑星が追加され、太陽系の惑星は合計12個となっています。最終案は24日に再度提示され、同日中に決議されます。(AstroArts 天文ニュースより一部引用、図も)
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太陽系の惑星、一気に3個増か 国際天文学連合が新定義(asahi.com)
原案によれば、太陽系の惑星は3つ増えて、12個になっています。
水星、金星、地球、火星、セレス、木星、土星、天王星、海王星、冥王星、カロン、2003 UB313
(太字が今回の追加候補)
もしこの案が決議されたら、西洋占星術の世界ではどうするのでしょうか。
現在の占星術では基本的に、地球を除く9つの惑星と、太陽、月を使っています。(Studio Clotho 惑星の意味)
セレスと2003 UB313を、占星術で使う惑星として追加するでしょうか。
また、今後惑星に昇格するかも知れない小惑星たちを、占星術は追加していくでしょうか…。
(カロンは冥王星のすぐそばにあります。今までは冥王星の月、つまり衛星と考えられていましたが、今回の原案通りなら冥王星との二重惑星という定義に変わります。だから、衛星から惑星へと格上げ。
でも、仮に惑星に格上げされても、地球から見たら冥王星とカロンはすぐそばにあり区別がつけられません。そのため、惑星の位置を用いるホロスコープではカロンが新たに描かれることはないでしょう。
ただ、占星術上の冥王星の定義についてはカロンの意味が付け加えられるかも知れませんね。)
「1781年に天王星が発見されたときは、市民革命が起きて人類の意識が変わって新しい星が必要になったと理屈づけをした」(鏡リュウジさん)そうです(教科書は?占星術は? 惑星の新定義に反響続々(asahi.com))。
また、冥王星が発見された1930年以後、占星術はすみやかに冥王星を取り込んだようです。12星座に当てはめている主星のうち、さそり座の主星を冥王星に変更しました。
私は占星術の専門家ではないのでよく分かりませんが、占星術が今後どうするのか、興味深く見守っていきたいと思います。
#セレスと2003...の追加で、私の占いがよくなるとうれしいなぁ、なんて。
また、惑星の定義が変わって数が増減するというのは、天文学にとって1つの転換点です。
占星術に関係なく、2003 UB313にどんな国際名が与えられるのか、
セレス、カロン、2003 UB313に、新たな日本名が与えられるのか(あるいは与えられないのか)も楽しみに見守りたいと思います。
惑星定義案:新天体発見で拡大 歴史配慮し冥王星「維持」(毎日インタラクティブ)によれば、「セレスなど新たに惑星に加わった天体の和名は付けないだろう」という意見があるそうです。(呼びやすい名前がないと、2003 UB313はちょっと可愛そうですが(笑)。)
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(8/25追記)結局天文学の世界では、惑星という定義から冥王星が外れる(もちろん、カロン、セレス、2003 UB313も外れる)という結論になりました。太陽系の惑星が、9個から8個に減りました。
でも、占星学の世界では、冥王星をホロスコープから外すということはしないという意見が多いようです(冥王星を加えてからの76年間、うまく成り立ってきたから)。
これについては、占星学の動向が見えてきたらまた書きたいと思います。
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(9/14追記)矮惑星2003 UB313は、国際天文学連合(IAU)によって、ギリシャ神話に登場する「混沌(こんとん)」と「不和」の女神にちなみ「エリス」と命名されたとのこと。混沌な名前なんですね。
矮惑星だから、きっと日本名は与えられないでしょう。
お騒がせ惑星「エリス」と命名…混沌の女神にちなみ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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