日本沈没再び(SF再映画化・小松左京作、草なぎ剛・柴咲コウ主演)
SF作家小松左京の代表作「日本沈没」(上)、(下)が、33年ぶりに映画化されることになりました。
32年ぶり再浮上!草なぎで映画「日本沈没」来夏公開(サンスポ)←この記事が一番詳しいようです。
草なぎ&柴咲で日本沈没33年ぶり映画化(asahi.com)
草なぎ&柴咲:32年ぶりリメークの映画「日本沈没」に主演(Mainichi INTERACTIVE)
(←小説上巻)私は数ある小松作品のうち、95%ぐらいは読んでいると思います(笑)。
小松作品は、小説で読むと大変壮大で、すばらしく感動します。でも、映画化されると、(お金をけちってしまうせいか)そのスケールが小さくなってしまうような気がします。私は映像化されるだけでうれしいのですが、どうしても小松作品を知らない方には伝わりにくいような。
例えば、
・エスパイ
・復活の日
・さよならジュピター
・首都消失
…
どれも、小説では大感動したし、私にとっては映像もとてもうれしかったのですが、例えば友人と見に行っても今ひとつ受けない。(小松左京フィルモグラフィー)
しかし、日本沈没は違いました。
(←映画DVD) 32年前では破格の5億円という巨費をかけたせいか、あるいは日本が沈没するという分かりやすいコンセプトのせいか、650万人をも動員し社会現象にもなりました。
映画に続いてTBSでテレビドラマ化されました。(←テレビ版DVD。第1巻が'M-1.0'、第9巻が'M-9.0'になっています) 首都・東京が大炎上するなどのスペクタクルな特撮セットを、映画とテレビが同時に撮影するという画期的な撮影方法をとり、テレビの特撮も迫力を失うことはありませんでした。
『毎週日本のどこかが大規模災害に遭い、そのロケ撮影を当時のスタッフは「水戸黄門」の諸国漫遊記になぞらえて「諸国沈没行脚」と呼んだ』のだそうです(笑)。
今回のリメイクの監督は樋口真嗣さん。「ガメラ」シリーズの特撮を手掛け、今春公開の「ローレライ」で初監督を務めています。(どちらもまだ見ていませんが、評判はよかったですよね。)
主演はSMAPの草なぎ剛と柴咲コウ。お2人ともビッグスターですね。
草なぎさんは主人公の潜水艦乗り・小野寺を、柴咲さんはヒロイン阿部玲子を演じます。今回の玲子は、原作とは違いハイパーレスキュー隊員です。
撮影は8月19日にクランクイン予定。東京消防庁や海洋開発研究機構も協力。今夏に完成する地球深部探索船を使った撮影も予定しているとのこと。
特撮技術やCGはこの32年間で格段に進歩していますし、沈みゆく東京も超高層ビルが立ち並ぶ過密都市になっていますから、迫力のあるシーンが続くことでしょう。
でも、単なる出来のいいパニック特撮映画ととらえては少し残念です。
原作の中で小松さんは、日本を沈没させるという空想の上で、日本人のアイデンティティを描き出そうとしていました。日本列島というゆりかごを失った日本人は、果たして日本がない世界でどのように生き延びていこうとするのか。
また、今回小松さんはインタビューに「人々が『生きる』ということを自身に問い直すきっかけになることを期待する」と答えています。
更に、最近神戸や新潟でレスキュー隊員の活躍が注目されました。柴咲さん演じるハイパーレスキュー隊員も、人を助けることの意義を体現してくれることでしょう。
原作良し、監督良し、俳優良し、特撮良しという好条件の中、どんな映画に仕上がるのか、これからとても楽しみにしていたいと思います。
なお、原作の文庫版は、今年末に小学館から「特別なおまけ付」で出版されるそうです。
#私は昔の文庫を持っていますが、やっぱり小学館版も
#買ってしまうんでしょうね(笑)。
#小松左京マガジン第19巻(7月28日発行)の内容を受けて
#一部修正しました。
#私が日本沈没について次に書いた記事はこちら
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